アートメイクとタトゥーのどちらにするべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
近年、施術を行っているクリニックが増えたことから、多くの人がアートメイクに興味を持っていることが分かります。もしかすると、あなたの周りにもアートメイクに挑戦したことのある方がいるのではないでしょうか。一方、アートメイクとタトゥーの違いについて、よく分からずに混同している人も少なくありません。どちらも肌にニードル(針)を指す施術方法ではありますが、異なる部分もあります。それでは、アートメイクとタトゥーにはどのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう
アートメイクとタトゥーの違い
まずは、アートメイクとタトゥーの基本的な違いについてです。似ているように思われることも多いですが、それぞれに違いがあります。
それでは、具体的にどんな違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
・アートメイクとタトゥーとは
アートメイクとタトゥーは混同されやすいものですが、どちらも表皮と真皮の境界付近から、真皮の最も浅い部分の深さを目標として色素を注入します。
なお、皮膚の厚みや硬さは個人差が大きく、全身の部位によっても異なります。顔は特に皮膚が薄いため、数値的にはアートメイクのほうが針を刺す深さは浅くなるケースが多いです。
そもそも、アートメイクは医療行為であり、まつ毛・眉毛・口唇など、悩みのある部位をカバーするという目的があります。医療機関において医師または、医師の指示のもと看護師や准看護師が行うように義務付けられています。眉のみならず、リップやアイラインに施術することもでき、すっぴんを明るく見せてくれるのです。
アートメイクを選択する方の中には、眉毛が薄くコンプレックスに感じている人や、メイクに時間をかけたくない人、メイクが苦手な人など、さまざまな理由を持った方がいます。アートメイクの技術は日々進化を遂げており、周囲の人から見ても気付かないほど、ナチュラルな仕上がりとなっています。悪目立ちはさせず、全体的に美しい印象になるよう、繊細なパーツを描いていくのがアートメイクの特徴でしょう。
一方、タトゥーはファッションの一部ともなっており、目的によって違いがあります。創造性が豊かで、さまざまな色を使いながら、個性的に文字や模様を表現します。なお、タトゥーの歴史はとても古く、宗教的な意味合いや社会的な地位、装飾などの用途を持っているとされています。また、自己表現の一環でもあり、文化的なアイデンティティを表現するものとして用いられています。中には、生まれつき背中にあざがあり、隠すことを目的にタトゥーを入れるケースもあるのです。
アートメイクとタトゥーは、どちらも針を使って施術を行いますが、目的の観点からみても異なることが分かるでしょう。
・アートメイクは数回分けて色を入れるため修正可能
アートメイクは、年齢やトレンドに応じてデザインを調整できるよう、淡いインクを使用します。そのため、肌のターンオーバーとともに薄くなっていき、持続時間は1~3年程度とされています。また、皮膚の表面に近い部分に針を刺すアートメイクの場合、定期的に皮膚組織が入れ替わっていくため、数回に分けて色を入れていきます。そのため、途中で修正できるのもアートメイクの特徴です。
一方、タトゥーだからといっても、永久的であるとは限りません。タトゥーを入れている部位や濃さによっても、持続期間は異なります。
タトゥーの場合、肌が加齢するほど繊維芽細胞が死に絶え、新しい細胞に変わるときに細胞が生まれ変わり、少しだけ移動します。タトゥーは日光の影響を受けやすく、紫外線によって色素が破壊され、除去されていきます。つまり、アートメイクに比べると落ちにくいものの、必ずしも永久的に維持されるわけではありません。
・アートメイクは医療行為
アートメイクは、医師法によって定められているものであり、医師免許を持たない人が施術を行ってはいけません。また、皮膚組織を損傷させる行為になるため、正しい施術をせずに針を深く入れすぎたり、衛生管理が出来ていなかったりすると、皮膚の炎症を引き起こす危険もあります。そのため施術は、医師もしくは医師の管理下で看護師や准看護師が行う必要があります。万が一、該当の免許を持たない人がアートメイクをした場合は医師法違反となるため、罰金刑の対象となります。そもそも医師免許を持っていなければ、アートメイクに必要な器具を購入できません。
一方、タトゥーは医療行為ではないため、特別な資格は必要ありません。象徴的な要素や社会的な風俗という実態を認めた上で、社会通年や常識的に考えても医師が行うことが難しいためです。つまり、タトゥーの本質が医療従事者の担う業務とは根本的に異なることから、医療行為としてみなされていないのです。
アートメイクとタトゥーで迷ったときの選び方

アートメイクとタトゥーには明確な違いがあることが分かりました。
しかし、どちらにするべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
ここからは、アートメイクとタトゥーをどちらにするか、選ぶ際のポイントを説明していきます。
・目的の違い
アートメイクとタトゥーの目的の違いについては、先ほども少し説明しました。
アートメイクは素顔をきれいに見せるためであり、メイク時間を短縮したり、コンプレックスをカバーしたりすることが大きな目的となります。タトゥーのように目立つものではなく、自然なデザインで顔のパーツを描き足していきます。また、必要に応じてリタッチも可能で、調整や維持をしながら美しさを追求できる点が大きなメリットです。そのため、年齢や流行に合わせたいと考えている方にも、アートメイクは向いています。
タトゥーは、持続期間がほぼ半永久的となるため、アートメイクほど気軽に消すことはできません。使用しているインクも金属成分が多く、経年的にもほとんど変わらず皮膚に濃く残ります。あくまでも自己表現として入れるものなので、タトゥーは長期的に維持したい人に向いています。このように、アートメイクかタトゥーを選ぶ際、目的の違いは大きなポイントなのです。
・施術者がだれなのか(アートメイクは医療行為・タトゥーは明確な基準なし)
アートメイクは医療行為となるため、誰もが施術ができるわけではありません。医師もしくは医師の指示を受けている看護師または准看護師のみ、施術が可能とされています。一方、タトゥーは医療行為ではないため、彫師と呼ばれる施術者によって行われます。両者それぞれに適切な技法を学んでいますが、医師免許や看護師免許などの医療資格を持っているからこそ、安心できるということもあると思います。
アートメイクであっても、過去に個人経営のサロンで施術を受け、炎症や皮膚に消えない傷が残ってしまったというトラブルも発生しています。医療行為であるにもかかわらず、中には無資格で施術を行っているサロンもあるため、理想の仕上がりにならず除去施術を受けざる得なくなってしまう方や、深刻な肌トラブルを起こしてしまう方がいます。そのため、安価で施術を行っているところには注意し、依頼しないことをおすすめします。失敗してしまうと除去にも費用がかかりますし、顔に傷がついてしまう可能性も十分に考えられます。施術者によって選ぶのはもちろんですが、医師免許などの医療資格を持っているかどうかも必ず確認しましょう。
・施術におけるリスク
アートメイクもタトゥーも、トラブルのリスクはゼロとは言えません。施術後の炎症や感染症、内出血のリスクがあるのです。また、皮膚に針を刺すため、皮膚のハリを維持しているコラーゲンやエラスチンを傷つけてしまう可能性も考えられます。ほかにも、施術後にトラブルが起きた際の対応でも、アートメイクとタトゥーでは違いが出てきます。アートメイクは医療機関で施術が行われるため、医師による抗生剤の処方や、皮膚トラブルへの適切な医療処置が可能です。一方、タトゥーの場合は施術者が医師ではないため、抗生剤の処方ができません。万が一、皮膚トラブルが起きてしまったときは、個別に医療機関を受診する必要があるのです。また、医師でないと対応できる範囲にも限りがあり、傷跡として残ってしまう可能性も考えられます。
施術後のダウンタイムにおいても、1週間ほどは何かしらの支障を来たすことは、決して少なくありません。そんなとき、ダウンタイムによる赤みや腫れ、乾燥などの不調も、医療機関ならば安心して相談ができます。施術のリスクも考えた上で、選ぶことをおすすめします。
・持続させたいかどうか
アートメイクとタトゥーを選ぶ際、長く持続させたいかどうかも一つの判断材料です。タトゥーは半永久的に残るため、リタッチの手間が少なく済みます。ただし、その分デザインが変更しにくいです。一方、アートメイクは新陳代謝に伴い、徐々に色が薄くなっていくため、そのタイミングでリタッチができます。つまり、定期的に見直すことができるため、年齢による変化や流行に合わせて調整することが可能です。アートメイクかタトゥーで迷ったときは、どの程度持続させたいか、定期的に調整したいかで選ぶとよいでしょう。
・麻酔の有無
アートメイクかタトゥー、どちらにするか悩んでいるならば、麻酔の有無によって選ぶのも一つの手です。例えば、アートメイクは医療行為となるため、医師の判断で麻酔を使用できます。なお、アートメイクの一般的な痛みは「毛抜きで毛を抜くときの痛みに近い」ともいわれています。中には脱毛の痛みとして表現する人もいるなど、まったく痛みがない施術ではありません。そのため、アートメイクを受ける際は、麻酔を使うことで痛みを抑え、快適に施術ができるようにしているのです。一方のタトゥーは、医療行為ではなく彫師による施術であることから、麻酔の使用はできません。医療的な知識も免許もなく麻酔を使ってしまうと、麻酔によるアレルギー反応の危険はもちろんのこと、皮膚トラブルを起こしてしまう場合もあります。そのため、痛みの度合いは施術部位によっても異なりますが、我慢できないほどの痛みならば、適度に休憩を挟むなどの工夫をしながら施術を行います。このように、痛みの程度も一人一人で異なるため、自分に合った施術方法を選ぶようにしましょう。
アートメイクに向いている人
アートメイクにするかどうか悩んでいる方向けに、向いている人の特徴を詳しく説明したいと思います。具体的には、以下のとおりです。
迷ったときの参考にしてみてください。
・時代に合わせて修正したい人
アートメイクには、新陳代謝によって徐々に薄くなるという特徴があるため、時代や年齢に合わせて修正したい方、あるいは流行を意識したい方に向いています。また、リタッチも簡単で、ナチュラルな美しさを維持しやすい点もアートメイクのよさです。眉のトレンドは年々変化するので、ひと昔前の眉のままだと古い印象に見えてしまいます。時代に合わせて理想の形に修正しつつ、あか抜けた眉にしたい人にとっても、アートメイクは適しているでしょう。
・痛みが苦手な人
アートメイクは麻酔が使えることから、できる限り痛みを抑えながら施術を受けたい方におすすめです。痛みの感じ方には個人差があり、中には麻酔がないと施術が辛いと感じる方も少なくないと思います。定期的なメンテナンスで何度も通わなくてはいけないことを考えると、麻酔を使って施術の痛みを軽減できるのはアートメイクの大きなメリットです。痛みを我慢するのは大きなストレスになるからこそ、痛みが苦手な人にも向いているのです。
・眉のバランスが気になっている人
眉毛の左右バランスが気になる人にも、アートメイクは向いています。アートメイクで眉の左右差を整え、全体的なバランスを調整できれば、メイクの負担を減らすことにもつながります。メイクは毎日のことだからこそ、バランスを整えやすくなる点は、アートメイクの大きなメリットといえるでしょう。
・メイク時間を短縮したい人
アートメイクは時間を短縮したいと考えている人にもおすすめです。加えて、もともとメイクが得意ではない人や、朝が忙しくてメイク時間が限られてしまう人にとっても、簡単にあか抜けた眉を手に入れられるアートメイクが向いています。メイク時間を短縮したいと考えている人は、アートメイクを検討してみてもよいでしょう。
まとめ
アートメイクやタトゥーを選ぶときは、それぞれの目的や違いを理解して判断すべきです。アートメイクは定期的にメンテナンスが可能なため、流行や年齢に合わせて修正したい人に向いています。また、麻酔を使って施術を受けられるので、痛みが心配な人でも安心です。もちろん、タトゥーにも持続性などのメリットがあります。アートメイクやタトゥーの特徴を理解して、目的に合った方法を選択できるようにしましょう。