朝のメイクが短縮でき、メイク崩れの心配もないと人気のアートメイクの技術を身に付けたいと考えている人もいるのではないでしょうか。ただし、アートメイクは医療行為に分類されています。施術を行うためには資格が必要になり、誰でもできるものではありません。

看護師資格なしでもアートメイクはできるのか、またほかにも必要な資格やスキルがあるのかについて詳しく説明します。

これからアートメイクに挑戦してみたいと考えている人は参考にしてみてください。

アートメイクは看護師資格なしでもなれる?

まず結論として、アートメイクになるには、医師もしくは看護師・准看護師の免許が必要です。それぞれ詳しく解説していきます。

・アートメイクは医療免許か看護師免許が必須

アートメイクは、医療免許または看護師・准看護師免許が必須です。なお、医師免許を持っていない看護師や准看護師の場合、医師の管理下や指示のもとであれば、施術を行うことが可能になります。

アートメイクを担当している看護師は「アートメイクナース」や「アートメイクアーティスト」と呼ばれることもあります。

アートメイクで看護師が行う主な業務内容として、まずカウンセリングを通して患者さんの悩みを聞いた上で、骨格や雰囲気に合わせてデザインを提案していきます。施術を行った後はアフターケアを担当するなど、一連のプロセスに関わります。

ただし、看護師や准看護師は医師の管理下や指示のもとでなければ、アートメイクを行うことができません。また、看護師のみでアートメイクのクリニックを開業することもできないとされています。医師の管理下や指示があった場合のみ、看護師や准看護師はアートメイクの施術ができます。

・アートメイク専門の資格は存在しない

アートメイク専門の資格は存在しません。ただし、アートメイクの知識・技術について学べる専門のスクールがあり、一定の講座を受講した後に卒業認定証(ディプロマ)を発行してもらえます。

ディプロマは、アートメイクに必要な知識・技術を身に付けている証明になるものです。実際に、就職活動や転職活動のときに持っていると信頼度が高まります。

スクールによっても変わりますが、ディプロマをもらうためには検定を受けて合格しなくてはいけません。検定の内容もスクールによって変わってくるので、事前に確認した上で通うようにしましょう。

・リップアートメイクは歯科医師免許でできる

アートメイクの中でも、唇や口元のみの口腔領域のリップアートメイクの場合は、歯科医師でも施術が可能です。また、歯科医師の管理下または指示下であれば歯科衛生士も施術できます。リップアートメイクもほかのアートメイクと同様に、色素を注入して施術を行います。皮膚の内側に色素を入れることもあり、汗や水にぬれても色落ちすることはありません。

リップアートメイクは医師や歯科医師が、患者さん一人ひとりに合ったデザインや色味を提案します。医療機関と同様に麻酔も使えるため、施術中の痛みを感じにくいです。リップアートメイクは、施術後10日程度過ぎると色落ちしてきますが、再度仕上げを行うことで理想の口元を目指していきます。

アートメイクに医療免許が必要な理由

アートメイクには医療免許が欠かせません。美容系の資格の中には医療免許がなくてもできるものもあるため、どうして医療免許が必要なのか疑問に思っている人もいるでしょう。アートメイクに医療免許が必要な理由を見ていきましょう。

・皮膚に行う施術であるため

アートメイクは皮膚に行うものです。医療用の専用の針を使って、皮膚に傷を付けながら色素を注入していきます。傷つけるのは皮膚の浅い部分ではありますが、深さの調整も確かな知識や技術がないとできません。医療行為に該当する施術だからこそ、医師免許や看護師免許が求められています。

国による違いはありますが、日本で医師免許を持っていない人がアートメイクを行うと、医師法違反になってしまいます。

また、無資格は医学的知識と技術が十分でないことを示し、感染症や安全衛生上のさまざまな皮膚トラブルを起こす危険性があるということにもなるのです。

患者さんに安心してアートメイクの施術を受けてもらうためにも、医師免許が必要になります。

・医師免許がないと機器が購入できない

アートメイクに使用する医療用の針や色素、機器の購入は、医師免許を持っている人のみ可能です。看護師免許では医療機器は購入できません。それだけ専門性の高い特殊な機器を使って施術を行います。

機器を取り扱うためには細心の注意を払わなくてはならず、正しく使用することが求められます。アートメイクに使うものすべてが医療機器に該当します。ですが、医療機器は医師免許を持っていないと購入できないように規制がかけられているものの、違法販売をしている業者もいます。

インターネットなどでアートメイクの機器を購入するときは、必ず認可を受けている販売業者かどうかを確認してください。違法販売をしている業者から購入して施術をしてしまうと、トラブルの原因になります。また、医師免許がないと、アートメイクに使用する医療機器は購入できないと覚えておきましょう。

・麻酔を使って施術を行う必要があるため

アートメイクは医療用の針を使って、肌に傷を付けて色素を注入するため、痛みを感じることも少なくありません。痛みの程度は個人差もありますが、麻酔を使うのが一般的です。痛みを我慢して施術を行うことは、患者さんにとっても大きな負担となります。

この麻酔を使えるのは、専門的な知識・技術を持った医師や看護師のみです。アートメイクで使用する麻酔は、表面麻酔という塗るタイプのものです。表面のみの麻酔となるため、それでも痛みを強く感じてしまうときは、注射を使った麻酔を行う場合もあります。この見極めも含め、医師の指示が必要になってきます。

また、中には麻酔を使うとアレルギー症状やショック症状が出てしまう人もいます。麻酔は高い技術を必要とするため、医師免許や看護師免許が必要です。

看護師資格なしからアートメイクの仕事をするためには  

看護師資格なしの人で、アートメイクの仕事を始めたいと考えている人もいるのではないでしょうか。アートメイク看護師となるためにはいくつかのルートが選択できます。前提としてアートメイクの専門資格は存在しないため、看護師資格や准看護師資格を持っていれば条件は達成します。

ここからは、看護師資格なしの人に向けてこれからどんな資格が必要になるのか、またどんな行動をしたらアートメイクの仕事を見つけられるのかについて、詳しく説明していきます。自分に合った道を選びつつ、アートメイクの知識・技術を高めていくことが大切です。

アートメイクの仕事を始めるためにも、ポイントをしっかりと押さえていきましょう。

・看護師か准看護師の資格を取得する

アートメイクの仕事には、看護師か准看護師の資格が必要です。看護師免許の資格を取得するためには、養成課程を修了させて国家試験に合格しなくてはいけません。

准看護師の場合は、准看護師養成所にて2年間の課程を修了し、各都道府県にて行われる准看護師試験に合格することで免許を取得できます。准看護師養成所は、全日制と定時制の学校があるため、仕事をしながら通っている人も少なくありません。

看護師の場合は、大学や養成所などさまざまな場所にて看護師教育を受けます。その後、国家試験に合格することで免許を取得するという流れです。国家試験は毎年2月に行われていますが、合格率は90%前後と高い水準になっています。

看護師と准看護師のどちらの資格を取得するのかによっても変わってきますが、勉強のためにどこまで時間をかけられるのかも含め考えるようにしてください。看護師の資格を目指すとなると、仕事との両立が難しくなるため、一度休職(退職)して勉強に集中する選択肢も入ってきます。准看護師でもアートメイクの仕事はできるため、自分に適した資格を選びましょう。

・病院やクリニックにて経験を積む

看護師や准看護師の資格を取得した後に、すぐにアートメイクの仕事を始める人もいますが、中には病院やクリニックで経験を積んでから転職する人も少なくありません。看護師資格はもちろん、実務経験がある人のほうが美容クリニックにも転職しやすくなります。

看護師の資格を取ってすぐにアートメイクとして働きたいと思っても、新卒採用がほとんどないのが現状です。看護師として基礎的な技術が身に付いている状態で入職してほしいと考える現場も少なくないのです。

ただし、一般的な病院でのキャリアが長くなってしまうと、アートメイクでは採用されにくくなってしまうことも考えられます。アートメイクは施術を受ける患者さんと年齢が近く、知識や技術の吸収の早い人材が好まれやすいため、若い看護師のほうが採用率が高い傾向があるのです。

アートメイクの仕事に挑戦したいと考えているのであれば、病院やクリニックで現場について学びながら、30代前半までには転職できるように準備を進めていきましょう。

・アートメイクに関わるクリニックに転職する

病院やクリニックで実務経験をした後に、アートメイクに関するクリニックに転職します。アートメイクの経験がないのに転職できるのか疑問に思う人もいるでしょう。そこで、スクールに通ってアートメイクについて基礎から学ぶのも一つの方法です。

もし、そこまで時間をかけられないのであれば、アートメイクを行っているクリニックに転職して教育プログラムを受ける方法もあります。教育体制をしっかりと整えている病院やクリニックの場合、一般的な病院からの転職だとしても、丁寧にサポートしてくれるので安心です。

看護師資格以外にもアートメイクに求められるスキルは  

看護師資格以外に、アートメイクを仕事にするときにどんなスキルが求められるのでしょうか。具体的にどんな資格があると、アートメイクに生かせるのか、詳しく説明します。

・デザインセンスを磨くこと

アートメイクにおいてデザインセンスはとても重要な部分です。患者さんの理想のアートメイクを実現できるようにセンスを磨いている人は、指名を取りやすく人気があります。

アートメイクは、トレンドが変わっていくのはもちろん、患者さんの年齢によっても似合うデザインが変わってきます。アートメイクについて積極的に情報収集を行い、患者さんの望みに応えられるようにしましょう。デザインセンスを磨いておくとアドバイス力や提案力も高まり、自信が持てるようになります。

・患者さんが満足できる技術力

アートメイクは就職してからも、患者さんに満足してもらうために技術力の向上が必要です。アートメイクの仕事を始めたばかりの人は、施術の実績がありません。何度も施術を重ねていくことで、技術力を高められるでしょう。患者さんにとっても安心材料になるため、満足してもらうための技術力向上を意識するようにしてください。

・患者さんとのコミュニケーション能力

アートメイクは患者さんとのコミュニケーションも重要になってきます。カウンセリングで患者さんの望みを引き出すのはもちろん、理想のアートメイクを実現するためにも会話は欠かせません。患者さんによっては、自分の希望をうまく伝えられない人もいます。どのような仕上がりを希望しているのか、施術者側が引き出せるようにしていきましょう。

全体のまとめ+おすすめ

看護師資格なしでは、アートメイクの仕事はできません。まずは看護師か准看護師の資格を取った上で、看護師としての経験を積み、アートメイクの知識や技術も高めていきましょう。アートメイクについてもっと学びたい、転職を有利にしたいと考えている人は、スクールに通うことも検討してみてください。

記事の監修者

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日本メイクアートアカデミー 代表 柿崎 暁

                           

2001年に日本アートメイクアカデミーを開校し、アートメイクを含める美容コンテストの主催や審査員を歴任しながら、これまで数千名の卒業生を排出している

                           

日本アートメイクアカデミー代表の柿崎 暁です!資格取得や眉メイクに関する情報を発信しております!